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問い合わせが来ない4つの本音!Webサイトの問題をデータで解明

「せっかくWebサイトをリニューアルしたのに、問い合わせがゼロ…」
「アクセス数はそれなりにあるのに、なぜか問い合わせにつながらない…」

こんな悩みを抱えている企業担当者の方は少なくありません。多くの場合、問題の原因を「デザインが古い」「コンテンツが足りない」といった表面的なところに求めてしまいがちです。

しかし実は、Webサイトに問い合わせが来ない理由は、訪問者の行動データの中に隠れています。

本記事では、アクセス解析のデータから読み取れる「訪問者の本音」を明らかにし、問い合わせを増やすための具体的な改善策をご提案します。

なぜ「見た目だけ」の改善では問い合わせが増えないのか

Webサイトへの問い合わせが少ないとき、多くの企業は「デザインが古い」「コンテンツが足りない」といった表面上の改善から始めます。

しかし、デザインを変えただけで問い合わせが劇的に増えることは、ほとんどありません。なぜなら、訪問者が問い合わせをしない本当の理由は、デザインではなく「心理的なハードル」にあるからです。そして、その心理は、訪問者の行動データに表れています。

つまり、データを見れば、訪問者が「どこで迷っているのか」「どこで諦めているのか」「何を不安に思っているのか」が見えてきます。したがって、大切なのは、訪問者の本音を数字から読み取り、的確な対策を打つことなのです。

データから見える問い合わせが来ない理由とは?訪問者の「4つの本音」

訪問者の行動データを分析すると、問い合わせに至らない理由は大きく4つのパターンに分類できます。それでは、それぞれの本音と、データの見方、解決策を見ていきましょう。

本音1:「自分に関係ない」と感じて帰る(ターゲットのミスマッチ)

訪問者の多くが、トップページを数秒見ただけで帰ってしまう…これは「自分には関係ないサイトだ」と判断されている可能性が高いです。

データに表れるサイン

このような状況では、以下のようなデータの特徴が見られます。例えば、直帰率が70%以上の場合、トップページだけ見て帰る人が多いことを意味します。また、平均滞在時間が30秒未満であれば、ほとんど読まれずに離脱していると考えられます。

さらに、スマートフォンからの直帰率が特に高い場合、モバイルでパッと見て判断されている可能性があります。加えて、特定のページだけ滞在時間が極端に短い場合は、そのページで「違う」と感じていることを示しています。

よくある原因

では、なぜこのような状況が起きるのでしょうか。主な原因として、まず誰向けのサービスか一目でわからないことが挙げられます。つまり、法人向けなのか個人向けなのか、どんな業種向けなのかが不明確なのです。

次に、専門用語だらけで初見では理解できない場合もあります。このような場合、業界の常識で書かれていて、初めて見る人には何のサイトかわからない状態になっています。さらに、ファーストビューで伝わらない場合、スクロールしないと重要な情報が見えない構成になっていることが問題です。

解決策

そこで、訪問者が最初の数秒で「自分のための情報がある」と感じられるようにすることが重要です。

具体的には、トップページの冒頭で対象を明示することから始めましょう。例えば、「〇〇でお困りの△△企業様へ」など、誰のためのサイトか一目でわかるようにします。また、訪問者の悩みを言語化することも効果的です。「こんなお悩みありませんか?」と、ターゲットが抱える具体的な課題を冒頭に提示するのです。

さらに、専門用語を減らし、わかりやすくすることも大切です。業界用語ではなく、お客様が普段使う言葉で表現しましょう。加えて、ビジュアルで対象を示すことも有効です。メインビジュアルに、ターゲットとなる業種や利用シーンの写真を使うことで、瞬時に「自分向けだ」と感じてもらえます。

本音2:「何をしてくれる会社かわからない」(サービス内容が不明確)

一方、ある程度ページを見ているのに問い合わせが来ない場合、「興味はあるけど、具体的に何をしてくれるのかわからない」と感じている可能性があります。

データに表れるサイン

このケースでは、特徴的なデータパターンが見られます。例えば、サービス紹介ページの滞在時間は長いが、問い合わせページに進まない場合、興味はあるが決め手がない状態を示しています。

また、複数ページを見ているが、問い合わせ率が1%未満の場合、比較検討はしているが行動に移せていないことがわかります。さらに、「料金」「費用」「価格」などのキーワードでサイト内検索されている場合、具体的な情報を探している証拠です。加えて、よくある質問ページの閲覧率が高い場合、疑問を解消しようとしている様子が伺えます。

よくある原因

では、なぜ訪問者は具体的なイメージを持てないのでしょうか。まず、抽象的な表現が多いことが原因として挙げられます。例えば、「最適なソリューションを提供」「お客様に寄り添ったサービス」など、具体性に欠ける表現では伝わりません。

次に、サービスの流れが見えないことも問題です。つまり、問い合わせた後、何が起こるのか、どんな手順で進むのかわからない状況になっています。さらに、料金や期間の目安がない場合、「お気軽にお問い合わせください」とあるが、おおよその予算感すらわからないため、行動を躊躇してしまいます。加えて、事例や実績が少ない場合、実際にどんな成果が出るのかイメージできないのです。

解決策

そこで、サービス内容を具体的に、わかりやすく伝えることが重要です。

まず、「何を・誰に・どうやって」を明確にしましょう。サービスの内容、対象、提供方法を具体的に説明することで、訪問者は自社に当てはまるかどうかを判断できます。次に、サービスの流れを図解することをお勧めします。問い合わせから納品まで、ステップごとにわかりやすく提示するのです。

さらに、料金の目安を掲載することも効果的です。「要相談」だけでなく、「月額〇万円〜」「基本プラン〇〇万円」など参考価格を提示することで、心理的なハードルが下がります。加えて、ビフォーアフターを示すことで、導入前の課題と導入後の成果を、できるだけ数字で表現し、具体的なイメージを持ってもらいましょう。

本音3:「問い合わせするほどじゃない」と思う(信頼感・緊急性の不足)

内容は理解できているのに問い合わせが来ないなら、「今すぐ問い合わせる理由」や「この会社なら安心」という確信が持てていない可能性があります。

データに表れるサイン

この場合、データには以下のような特徴が現れます。例えば、問い合わせページまで到達するが送信されない場合、ボタンは押すが最後の一歩が踏み出せない状態です。

また、会社概要や実績ページの閲覧率が高い場合、信頼できる会社か確認している様子が伺えます。さらに、再訪問者が多いが問い合わせは少ない場合、何度か見に来るが決断できていない状態を示しています。加えて、お客様の声ページの滞在時間が長い場合、他の利用者の評価を気にしていることがわかります。

よくある原因

では、なぜ訪問者は決断できないのでしょうか。まず、お客様の声や導入事例が少ないことが原因です。この場合、「本当に効果があるのか?」という不安が解消されません。

次に、会社の実績や信頼性が伝わらないことも問題です。設立年数、取引社数、メディア掲載などの裏付けがないと、不安を感じてしまいます。さらに、問い合わせのハードルが高いと感じられている場合もあります。つまり、「今すぐ契約しないといけない」と思われているのです。加えて、競合との違いがわからない場合、他と比較しても選ぶ理由が見つからないため、行動に移せません。

解決策

そこで、訪問者に「この会社なら安心」「今、問い合わせる価値がある」と感じてもらうことが重要です。

まず、お客様の声を充実させましょう。顔写真・実名付きで、具体的な成果を掲載することで(許可を得て)、信頼性が大きく向上します。次に、第三者の評価を示すことも効果的です。メディア掲載、受賞歴、認証、提携企業などを明示することで、客観的な信頼性を示せます。

さらに、選ばれる理由を明確にすることが大切です。競合と比較した際の自社の強みを、わかりやすく3〜5つ提示しましょう。加えて、ハードルの低い選択肢を用意することをお勧めします。いきなり「問い合わせ」ではなく、「資料ダウンロード」「無料相談」「お試しプラン」など、気軽な第一歩を用意することで、行動を促せます。

本音4:「問い合わせしづらい」(心理的・物理的な障壁)

最後に、問い合わせフォームまで来ているのに送信されないなら、フォーム自体に問題がある可能性が高いです。

データに表れるサイン

このケースでは、以下のようなデータが典型的です。例えば、問い合わせフォームの入力開始率は高いが完了率が50%未満の場合、途中で諦めていることを示しています。

また、問い合わせフォームの滞在時間が長い場合、入力に時間がかかっているか、迷っている状態です。さらに、モバイルからの問い合わせ完了率が極端に低い場合、スマホで入力しづらいことが原因です。加えて、エラーページへの遷移が多い場合、入力ミスでエラーになり、諦めてしまっていることがわかります。

よくある原因

では、なぜフォームで離脱してしまうのでしょうか。まず、入力項目が多すぎることが最大の原因です。例えば、名前、会社名、部署、役職、電話、メール、住所、詳細な相談内容…と10項目以上ある場合、途中で諦めてしまいます。

次に、必須項目が多いことも問題です。「とりあえず問い合わせたい」だけなのに、すべて埋めないと送信できない仕様では、ハードルが高すぎます。さらに、エラーメッセージが不親切な場合、何が間違っているのかわからず、やり直す気力がなくなってしまいます。加えて、電話番号しか問い合わせ手段がない場合、メールやチャットで気軽に相談したい人の機会を失っています。

解決策

そこで、問い合わせのハードルを徹底的に下げることが重要です。

まず、入力項目を最小限にしましょう。最初は名前とメールアドレス、相談内容だけにすることで、完了率が大きく改善します。次に、任意項目を増やすことも効果的です。必須は最小限にし、「よろしければご記入ください」という任意項目を活用するのです。

さらに、エラーを防ぐ工夫も必要です。入力例を表示したり、リアルタイムチェックを導入したり、わかりやすいエラーメッセージを用意しましょう。加えて、複数の問い合わせ手段を用意することをお勧めします。フォーム、電話、チャット、LINEなど、好みの方法を選べるようにすることで、より多くの人が行動できます。最後に、スマホ対応を徹底することも忘れずに。モバイルでも入力しやすいフォーム設計にすることが不可欠です。

Webサイトで問い合わせが来ない原因を数字で読み解く方法

ここまで4つの本音をご紹介しましたが、では、自社のWebサイトではどの問題が起きているのでしょうか?それを知るには、データ分析が不可欠です。

データ分析にはステップがあるので、ここからはデータ分析の方法について、ご紹介します。

ステップ1. 全体の流れを把握する

まず、Google Analyticsで、訪問者がどのような経路をたどっているか確認します。

理想的な流れは、トップページから始まり、サービス紹介、事例と進み、最後に問い合わせに至るパターンです。しかし、実際にはさまざまな離脱パターンが見られます。例えば、トップページで離脱する場合は本音1の問題が、サービス紹介から複数ページを閲覧した後に離脱する場合は本音2や3の問題が、問い合わせページで離脱する場合は本音4の問題が潜んでいる可能性があります。

ステップ2. 各段階の数字を確認する

次に、各段階での数字を詳しく見ていきます。

入口では、訪問者数、直帰率、平均滞在時間を確認します。回遊段階では、ページビュー数、サービス紹介ページの閲覧率、滞在時間をチェックします。そして出口では、問い合わせページの到達率、フォーム完了率を測定します。これらの数字を総合的に見ることで、どこに問題があるかが明確になります。

ステップ3. ボトルネックを特定する

そして、数字を見比べて、どこで最も多くの訪問者が離脱しているかを特定します。

例えば、直帰率80%で平均滞在時間20秒の場合、本音1の問題が大きいと考えられます。一方、ページビュー3以上あるのに問い合わせページ到達率が5%しかない場合は、本音2や3の問題が潜んでいます。また、問い合わせページ到達率が10%あるのにフォーム完了率が30%しかない場合は、本音4の問題に焦点を当てるべきです。

ステップ4. 仮説を立てて改善し、効果を測定する

最後に、ボトルネックに対する改善施策を実行し、1〜2ヶ月後に数字がどう変化したかを確認します。そして、必要に応じてさらなる改善を重ねていくことで、着実に成果を上げることができます。

「訪問者の本音」に応えれば、問い合わせは自然と増える

このように、Webサイトに問い合わせが来ない理由は、必ず訪問者の行動データに表れています。したがって、大切なのは、「なんとなく」ではなく、データから訪問者の本音を読み取り、的確な改善をすることなのです。

株式会社maicsでは、AIなどのデータ分析技術を活用し、貴社のWebサイトの訪問者行動を詳細に分析し、豊富な経験をもとに、データに基づくマーケティング支援を提供しています。

「Webサイトはあるのに問い合わせが来ない」「どこに問題があるのかわからない」という方は、まず訪問者の行動データを確認することから始めてみませんか?

今日からできること

それでは、最後に今日から実践できる具体的なアクションをご紹介します。

  • Google Analyticsで直帰率と平均滞在時間を確認してみる:全体とトップページの数字を比較
  • 問い合わせまでの流れを自分で体験してみる:訪問者の目線で、わかりにくい点や迷う点を洗い出す
  • 問い合わせフォームの項目数を数えてみる:10項目以上ある場合は要注意
  • お客様の声や事例が何件掲載されているか確認する:3件未満なら、まず増やすことから
  • 専門家に相談し、訪問者行動の詳細分析と改善提案を受ける

このように、訪問者の本音に応えるWebサイトを作れば、問い合わせは自然と増えていきます。まずはデータで現状を確認することから始めてみましょう。