BtoB企業にとって、質の高いリード(見込み客)を獲得することは、営業活動の成功を左右する重要な課題です。しかし、いきなり大きな予算を投じてリード獲得施策を始めるのは、リスクが高いもの。まずは小規模にテストして、データで効果を確認しながら進める方が、確実に成果につながります。今回は、データ分析の視点から、BtoB企業が効果的にリードを獲得する方法をご紹介します。
データで見るリード獲得の現状
リード獲得施策を始める前に、まず現状を数字で把握することが重要です。多くの企業が「なんとなく問い合わせが少ない」と感じていますが、具体的にどこに課題があるのかをデータで確認しましょう。
まず確認したいのが、ホームページへのアクセス数と問い合わせ数です。月間1000アクセスで問い合わせが5件なら、コンバージョン率は0.5%です。BtoBのホームページでは、一般的に1〜3%が目安とされています。0.5%なら改善の余地が大きいということです。
次に、どのページがよく見られているかを確認します。Googleアナリティクスを開いて、「よく見られているページ」と「離脱率が高いページ」をチェックしましょう。サービス紹介ページは見られているのに問い合わせに至らない場合、そのページに問い合わせへの導線が足りないのかもしれません。
さらに、どこから訪問者が来ているかも重要なデータです。検索エンジン、SNS、広告、直接アクセスなど、流入元ごとに問い合わせ率を比較すると、どのチャネルが効果的かが見えてきます。
データを見ることで、「アクセスは十分あるのに問い合わせが少ない」のか、「そもそもアクセスが足りない」のかが明確になります。課題が分かれば、次に打つ手も決まります。
小規模に始められるリード獲得の方法
データで現状を把握したら、次は実際にリード獲得施策を試していきましょう。ここでは、予算をかけずに始められる3つの方法をご紹介します。
ホームページにお役立ちコンテンツを追加する
最も手軽に始められるのが、ホームページでの情報発信です。自社のサービスに関連する、お客様が知りたい情報を記事として掲載しましょう。
コンテンツを追加したら、Googleアナリティクスでそのページのアクセス数と滞在時間を確認します。アクセスが多く、滞在時間も長いページは、お客様にとって有益な情報だという証拠です。そのページに問い合わせボタンを設置することで、リード獲得につながります。
3か月ほど記事を公開し続けると、検索からの流入が増え始めます。どのキーワードで検索されているかをデータで確認し、需要の高いテーマで追加の記事を書くことで、効率的にアクセスを増やせます。
記事からの問い合わせ率を計算してみましょう。記事を読んだ100人のうち2人が問い合わせしていれば、コンバージョン率は2%です。この数字が低ければ、記事の最後に問い合わせへの誘導を強化する必要があります。
資料ダウンロードで連絡先を取得する
お客様が「これは欲しい」と思う資料を用意して、ダウンロードの際に連絡先を入力してもらう方法も効果的です。これにより、見込み客の情報を確実に取得できます。
資料ダウンロードを設置したら、「資料ダウンロードページの訪問数」と「実際のダウンロード数」を記録しましょう。例えば、100人がページを訪問して10人がダウンロードすれば、ダウンロード率は10%です。
この数字が低い場合、資料の内容が魅力的に見えていない可能性があります。タイトルを変更したり、資料の目次を見せたりして、A/Bテストで改善しましょう。どちらのバージョンがダウンロード率が高いかをデータで比較します。
さらに、ダウンロードした人のうち何人が商談に進んだかも追跡します。これが「商談化率」です。ダウンロード数が多くても商談化率が低ければ、資料の内容やターゲット設定を見直す必要があります。
少人数のオンラインセミナーを開催する
ウェビナー(オンラインセミナー)も、比較的始めやすいリード獲得方法です。大規模なセミナーではなく、5〜10名程度の少人数で始めてみましょう。
ウェビナーでは、「申込数」「参加率」「参加後の商談化率」という3つの数字を記録します。申込が20件あっても実際の参加が10件なら、参加率は50%です。この数字が低い場合、リマインドメールの送信タイミングや内容を改善する必要があります。
参加後のアンケートで満足度を数値化することも重要です。5段階評価で平均4以上なら、内容は好評だと判断できます。3以下なら、セミナーの構成や話す内容を見直しましょう。
ウェビナーからの商談化率を計算すると、どれくらい効果的な施策かが分かります。参加者10名のうち3名が商談に進めば、商談化率30%です。この数字を毎回記録し、改善していくことで、より効果的なウェビナーになります。
データで効果を測定する仕組みを作る
リード獲得施策を始めたら、必ず効果測定の仕組みを作りましょう。データがなければ、何が成功で何が失敗なのか判断できません。
リードの数と質を数値化する
リード獲得では「数」だけでなく「質」も測定することが重要です。質を測る最も分かりやすい指標が「商談化率」です。
獲得したリード100件のうち、20件が商談に進めば商談化率は20%です。この数字を施策ごとに比較することで、どの方法が質の高いリードを生んでいるかが分かります。
例えば、ブログ記事からのリードは商談化率40%、広告からのリードは商談化率10%というデータが出たとします。この場合、広告よりもブログに力を入れた方が、効率的にリードを獲得できると判断できます。
さらに、商談化したリードのうち何件が受注につながったかを追跡すると、最終的な費用対効果が見えてきます。ブログ経由のリードは商談化率も受注率も高いなら、そこに注力すべきです。
施策ごとの費用対効果を比較する
各施策にかかったコストと得られた成果を比較しましょう。「リード1件獲得にいくらかかったか」を計算することで、どの方法が最も効率的かが分かります。
ウェビナー開催に5万円かけて20件のリードを獲得できれば、1件あたり2,500円です。一方、ブログ記事を書くのに外注費3万円かけて、3か月で30件のリードを獲得できれば、1件あたり1,000円です。
ただし、コストだけで判断するのは危険です。ウェビナー経由のリードの方が商談化率が高いなら、1件あたりのコストが高くても価値があります。「リード獲得単価」と「商談化率」の両方を見て、総合的に判断しましょう。
Excelやスプレッドシートで、施策ごとに「コスト」「リード数」「商談化数」「受注数」を記録すると、どの施策が最も効果的かが一目で分かります。
A/Bテストで改善を重ねる
データに基づいて改善する際は、A/Bテストが有効です。2つのパターンを試して、どちらが効果的かをデータで判断します。
例えば、問い合わせボタンの文言を「お問い合わせはこちら」と「無料相談を予約する」の2パターン用意して、それぞれ2週間ずつ試してみます。どちらがクリック率が高いかをGoogleアナリティクスで確認し、効果的な方を採用します。
資料ダウンロードのページでも、タイトルや説明文を変えてテストできます。小さな変更でも、ダウンロード率が10%から15%に上がることがあります。
A/Bテストのポイントは、一度に一つだけ変更することです。複数を同時に変えると、何が効果的だったのか分からなくなってしまいます。一つずつ丁寧にテストして、データで効果を確認しながら改善していきましょう。
獲得したリードをデータで管理する
リードを獲得しただけでは成果になりません。そのリードをしっかり管理し、商談につなげるまでのプロセスもデータで追跡しましょう。
フォローのタイミングをデータで最適化する
リードを獲得したら、どのタイミングでフォローするのが最も効果的かをデータで確認します。問い合わせから24時間以内に連絡した場合と、3日後に連絡した場合で、商談化率がどう変わるかを記録してみましょう。
一般的に、早くフォローするほど商談化率は高くなります。資料ダウンロード直後にお礼メールを送り、その中で「30分の無料相談」を案内すると、高い確率で予約が入ります。
自動返信メールの開封率とクリック率も測定しましょう。メールを送った100人のうち30人が開封し、そのうち5人がリンクをクリックすれば、開封率30%、クリック率16.7%です。この数字が低ければ、メールの件名や内容を改善する必要があります。
リードのスコアリングで優先順位をつける
すべてのリードが同じ温度感ではありません。「今すぐ検討したい」リードと「情報収集段階」のリードを区別して、それぞれに適したアプローチをしましょう。
リードスコアリングとは、リードの行動に点数をつける方法です。例えば、「資料ダウンロード:10点」「料金ページ閲覧:20点」「問い合わせフォーム訪問:30点」というように設定します。
合計スコアが50点以上のリードは「ホットリード」として、すぐに営業が電話でフォローします。30点以下のリードは「ウォームリード」として、定期的なメール配信でナーチャリング(育成)します。
スコアリングの基準は、実際のデータをもとに設定しましょう。過去に受注につながったリードがどんな行動をしていたかを分析すると、効果的なスコアリング基準が見えてきます。
継続的なデータ分析で改善を続ける
リード管理のデータは、毎月見直して改善につなげましょう。「今月獲得したリード数」「商談化数」「受注数」を記録し、前月と比較します。
リード数が増えているのに受注数が増えていなければ、リードの質が下がっている可能性があります。逆に、リード数は減っても受注数が増えていれば、質の高いリードを獲得できている証拠です。
Googleアナリティクスや顧客管理システム(CRM)のデータを定期的に見る習慣をつけることが、継続的な成果向上につながります。
データ分析を成功させる3つのポイント
リード獲得をデータで改善していくには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
完璧なデータを待たない
データ分析と聞くと、完璧なデータが揃ってから始めなければいけないと思いがちです。でも実際には、不完全なデータでも十分改善のヒントは得られます。
まずは手元にあるデータで分析を始めてみましょう。Googleアナリティクスのアクセス数と問い合わせ数だけでも、コンバージョン率は計算できます。細かい精度にこだわるより、まず動き出すことが大切です。
3か月は継続して様子を見る
リード獲得施策は、すぐに結果が出るとは限りません。特にブログ記事やSEO対策は、効果が出るまでに時間がかかります。
最低でも3か月はデータを取り続けて、傾向を見ましょう。1か月目は反応が少なくても、2か月目、3か月目と徐々にアクセスが増えることはよくあります。ただし、3か月経っても全く変化がなければ、方法を見直すサインです。
成功パターンを横展開する
ある施策が成功したら、その要素を分析して他の施策にも応用しましょう。例えば、特定のテーマの資料ダウンロードが多かったら、同じテーマでブログ記事を書いたり、ウェビナーを開催したりできます。
データから「なぜこれがうまくいったのか」を読み解き、成功の法則を見つけることが、次の成果につながります。
データを味方につけてリード獲得を成功させよう
BtoBのリード獲得は、データに基づいて進めることで、確実に成果を上げられます。まずは現状をデータで把握し、小規模な施策から始めて、効果を測定しながら改善していきましょう。
リードの数だけでなく質も数値化し、施策ごとの費用対効果を比較することで、自社に最適な方法が見えてきます。A/Bテストで細かく改善を重ね、獲得したリードはスコアリングで管理することで、商談化率も向上します。
まずは今日、Googleアナリティクスを開いて、先月のアクセス数と問い合わせ数を確認してみませんか。そこから見えるコンバージョン率が、改善の第一歩です。
リード獲得のデータ分析や改善方法でお困りのことがあれば、いつでもmaicsにご相談ください。データ活用とAI技術で、BtoB企業のマーケティング活動をサポートします。